Mountain Guide 2
山選びで、最初に迷う「レベル」という言葉

行きたい山を調べ始めると、
まず気になるのが「難易度」や「レベル」だと思う。

初心者向け。
中級者向け。
健脚向け。

自分も最初は、
その言葉ばかり気にしていた。

「初心者向け」でも、しんどい山はある

実際に行ってみて分かったのは、
レベル表記だけでは、山のしんどさは分からないということ。

  • 道は歩きやすいけど、やたら長い
  • 危険箇所は少ないけど、休める場所が少ない
  • 技術はいらないけど、ずっと歩き続ける

こういう山は、
「初心者向け」と書かれていても、普通にきつい。

逆に、

  • 距離は短い
  • コースタイムも短い
  • 標高差もそこまでない

こういう山は、
レベル表記だけ見ると身構えてしまっても、
実際にはかなり楽だったりする。

山の負荷は「何時間歩くか」で変わる

山のしんどさを一番左右するのは、
どれくらいの時間、歩き続けるかだと思っている。

  • 2時間歩く
  • 4時間歩く
  • 6時間以上歩く

この差は、
標高や難易度も関係するけれど、より体には正直に効いてくる。

特に、
フェスやキャンプから山に入った人は、
「長時間歩く」ことに慣れていないことが多い。

だからまずは、

自分は、何時間なら気持ちよく歩けるか

ここを基準に考えるのが、
一番現実的だった。

公的な「山のグレーティング」という考え方

日本には、都道府県などが
登山道の難易度や体力的な負荷を
客観的に整理した「山のグレーティング」を発表している。
→ くわしくはこちら

これは、
経験や感覚じゃなく、
条件をもとにまとめられた目安。
このグレーティングを
正解として使うというより、判断の補助線として使うのがおすすめ。

グレーティングを見るときのポイント

細かい記号や分類より、
まず見てほしいのはここ。

  • 標準コースタイム
  • 行動時間の目安

たとえば、

  • 標準コースタイム:3時間
  • 標準コースタイム:5時間

この違いは、
体感としてかなり大きい。

「登れるかどうか」より、

この時間を、余裕を持って歩けそうか

ここで判断するほうが、
失敗が少なかった。

「時間に余白がある計画」を選ぶ

最初のうちは、
コースタイムぴったりで考えないほうがいい。

  • 途中で立ち止まる
  • 景色を見る
  • 水を飲む
  • 少し休む

それを含めて山の時間。

だから、

歩く時間+余白

で考えると、
山との距離感がぐっと楽になる。

また行ける山は、だいたい時間が短い

振り返ってみると、
「また行きたい」と思えた山は、
だいたいこんな共通点があった。

  • 行動時間が短め
  • 午後早めに下山できる
  • 帰りに余裕がある

逆に、
時間に追われた山は、
記憶も少し慌ただしい。

レベルと時間を信じる

Mountain Guideとして伝えたいのは、

  • レベルは目安
  • 時間は現実

という感覚を、
最初に持っておくと、
山はずっと身近になる。

▶ 次の章へ

3章:最低限の装備をどう考えるか

  • フェス・キャンプ装備から使えるもの
  • 最初に足すなら、どれか
  • 「安心できる装備」の考え方

時間の感覚が掴めると、
装備の考え方も、自然とシンプルになる。